2.25.2009

World Baseball Classicについて

3日後に東京に行くことになりました。いよいよです。

一度ここで改めてこのWorld Baseball Classicの大会のあらましを振り返ってみたいと思います。

World Baseball Classicが生まれた背景にはさまざまなことが言われていますが、大きな目的としては、野球界の発展のためにさらなる国際化が必要というMLBの認識のもとに立ち上がった大会と言われています。



MLBコミッショナーのBud Seligはグローバル戦略を掲げて、最近ではメキシコや日本といった北米地域以外でMLB開幕戦を行うなどもしています。真の世界一を決める国際大会開催へ向けて長期に協議がなされた結果、2006年に第1回大会の開催が決定したのがワールド・ベースボール・クラシックです。

ちなみに、MLBでは夏のオールスターゲームが別名Mid Summer Classic、秋のワールドシリーズがFall Classicと呼ばれていて、"World Baseball Classic"という名称には、これらの重要な公式行事と同格であるというメジャーリーグ機構の大会への思いが込められているとか。

このWBCの主催は、MLB(米大リーグ野球機構)とMLBPA(米大リーグ選手会)で、それぞれが出資しあってWBC Incという会社を作りました。MLBはこの大会をオリンピックに代わる野球界主導の最高峰の国際大会として育てたい意向で、第2回大会を今年2009年の3月に、(前回から3年)その後は4年おきに開催される予定。今現在の参加チームは16ヶ国となっていますが、2013年以降には参加国及び地域の数を増やす意向も表明しています。

そんな中、背景として、IOCとMLBとの関わりがよく話題にでます。

例えば、アメリカでの五輪招致のためには野球の国際化が必要とも言われて、米五輪委会長のユベロス会長を中心に、野球がオリンピック競技として復活させる必要もあると言われています。

最大の収入源となるテレビ放映権料という観点で言うと、MLBはFOXとESPNとの長期契約、IOCのオリンピック放映権はライバルのNBCというライバル関係があったりもします。今までMLBも国際化について協力的でなかったと言われ、そこでIOCが五輪種目から野球を外すことによって、もっと野球を世界に普及してほしいというようなメッセージがあるのだと思います。

2005年秋にアジアシリーズがスタートして、2006年春には第一回WBCが開催され、その後2008年夏の北京五輪を挟んで、この2009年3月には第二回WBCが行われます。このあたりもオリンピックを意識してのことだと思います。

この今年3月のWBCの後の10月にはデンマークで2016年オリンピックの競技として、野球、ソフトボール、スカッシュ、空手、ローラースポーツ、7人制ラグビー、ゴルフなどを競技にするかの投票も行われる予定です。これも意識しての今年の開催なのでしょう。

NBCOlympic.com

そして、WBCのIOCへのアピールという観点でも、IOC基準のドーピング・チェックを導入したりとIOC憲章(五輪憲章)にのっとった国際大会であるとすることで、ドーピング・チェックや、参加国における政治的な諸問題もクリアできるなどあって、このあたりも、いよいよベースボールの国際化を図っていく表れなのかもしれません。そしてこれも、最近やっと2003年からMLBが本格的にドーピング検査を行っている背景と思われます。

PED

ただ、このドーピング検査も、IOC基準のドーピング・チェックを実施するということになると、何人かの花形選手たちを締め出す事態になる、というジレンマもありました。なので、IOC基準のドーピング・チェックの採用に同意するのにも時間を要していました。

僕は、選手としてスポーツに長く携わった経験として、選手の多くは本当に純粋な気持ちで一生懸命頑張り、最高の舞台で勝利したい、と考えていることを理解しています。

僕は野球に対する憧れは小さい頃からありましたが、そうは言っても、野球だけに特別な知識や思いがあるということではなくて、大きく「スポーツの役割」ということを考えています。(日本人として育ってきた中でこの野球というスポーツに大きな影響を与えられていることは間違いないですが)

世界中でこうした選手達のひたむきな努力や、素晴らしいパフォーマンスを見せることによって、多くの子供達にとって彼らが大きなロールモデルとなったり、1人でも多くの人がスポーツを通して世界の文化を理解し互いをリスペクトする機会を得たり、アスリートから大きな勇気やパワーをもらう、そんな影響力が生まれるものだといつも信じています。

今回の仕事の中心は、日々Team Japanの活動に眠る多くのNewsをMLBのPublic Relationsに送付し、それをメディアに発信してもら役目もあり、本当にまさに自分がチャレンジしたいと思っていたことです。

このWorld Baseball Classicを通して、この大会がこれから益々大きく発展して(1930年FIFA World Cupの第一回大会はわずか13ヶ国の参加国数)1人でも多くの人と一緒にこの大会・野球を通じて心が晴れやかになることを願っています。




P.S.サンディエゴに戻ってからほぼ毎日3-4マイル、腹筋300回以上をやってます(汗)また太ったと言われるのがいやだからねえ。(笑)オバマもかなりいい体してるしね。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いよいよですね!日本でのお仕事も頑張ってください。
(2.21のブログより。)「・・・これから手を動かす部分は頼れる後輩にお願いしていますが・・・」お忙しそうですね。何かお手伝いできること、ありますか?あれば、どんなことでも言ってください。San Diegoでできることなら受け入れます。
WBCがもっと盛り上がるお手伝いができれば光栄です☆

日本軍とともに、Nariさんのことも応援しています。

三浦 

匿名 さんのコメント...

三浦さん

暖かいメッセージありがとうございます!

もし、お手伝いいただけるのであれば、大変嬉しいです!ちょうど一昨日San Diego Townの社長などにもお願いし、ボランティアを数人確保できましたが、予約が殺到してるようですので、後輩を助けてもらえたら嬉しいです。

チケットのHPのアドレスのお問い合わせ先からご連絡いただければ、彼が返信すると思います。Nariから話を聞いたとしてくださればOKです。

wbc2009tickets@gmail.comまでお願いいたします。

ありがとうございます。