JetsのホームグランドGiants Stadiumの駐車場での一枚。試合前に早くから駐車場でキャッチボールをしたり、バーベキューをしている姿はサンディエゴでもたくさん見かけましたが、これはお決まりのようです。近くには、NBAのNJ Netsのホームアリーナ、IZOD Centerもあります。
このJetsのスタジアムは、もう一方の別のカンファレンス、NFCに所属するNew York Giants、MLS(メジャーリーグサッカー)のレッドブル・ニューヨークとで共有していますが、このスタジアムも今年で最後となり、今現在新スタジアムが建設されています。(MLSレッドブル・ニューヨークは別にニュージャージー州・ハリソンに新サッカーアリーナを建設し、来年開場を予定している)
この新スタジアム、Meadowlands Stadiumは、82,500人収容可能でNFLでは2番目に大きいスタジアムとなります。(1番はWashington DCにあるWashington RedskinsのホームスタジアムのFedEx Fieldで91,704人。ただ、TexasにあるCowboys Stadiumだと100,000席まで増席可能とか。ちなみにこのCowboys Stadiumは今年5月に開場して、ドームスタジアムとしては世界最大規模)
New York Jetsは、実はマンハッタンの西側にドーム型の新スタジアムを建設する意向を示してきましたが、2005年に政治的な理由もあって、このMeadowlands StadiumをNew York Giantsと共有して使用することに同意した経緯があります。
ちなみにこの建設費は$1.4billion(約1400億円)とされ、運営費なども含めて25年のリースが組まれているようです。このリースは、15年後からopt out(離脱)の権利を得ることが可能だそうですが、もしどちらかのチームが自身のスタジアムを所有することになった場合、もう一方のチームが残り全てのリースを支払う必要があるとか。
この経済状況で、Footballビジネス全体もその風を受けている中、新スタジアムの建設により成長している例もあります。今年の5月に開場して話題になった、Texas Cowboysの新スタジアム、Cowboys Stadiumは、今の時点でシーズンチケットがほぼ完売しており、新スタジアムによる今年の収入も$285million(約285億円)で、昨年の2倍以上と予想されています。 (Forbes SportsMoneyより)
今回の一番の目的は、対戦相手のPhiladelphia Eaglesのクォーターバック、マイケルヴィックを見ることでした。このヴィックという選手、NFLではQBとして史上初めて1,000ヤードラッシュを記録したり、同年のラッシングでの平均獲得ヤード8.4というNFLレコードを作った「史上最速QB」として評され、2004年には10年総額1億3,000万ドルという契約を得た選手。とにかく超アスリートで、2001年にNFLのドラフトでアトランタ・ファルコンズから全体1位指名を受けた時には、MLBコロラド・ロッキーズからもドラフト指名されたほど。
これだけ数々の伝説を作って、影響力のある選手になった人物が、2007年に闘犬賭博に関わった容疑で連邦大陪審に起訴され、禁固23ヶ月の実刑判決を受けることになり、アメリカでは大ニュースになりました。今年5月に刑務所を出所してきたばかりで、NFLからは無期限出場停止処分を受けていましたが、今年7月に処分を解除されたばかり。
米国では動物虐待に対する批判が強くて、闘犬は全米50州すべてで非合法となっています。そのため、動物愛護団体を中心に、ヴィックのNFL復帰に反対する人も多い中、今年8月にPhiladelphia Eaglesとの2年契約が成立しました。
僕は個人的に、2年もの間禁固刑に科せられていた大きなブランクがあるにも関わらず、出所してわずか数ヶ月の選手と$1million(1億円以上)の契約を実現できてしまうこの選手のアスリート振りを一度見ておきたいと思って、この試合を選びました。彼の魅力はなんと言っても走力ですが、強肩でも知られています。これは試合前の練習ですが、40ヤードをかなり軽々と投げてます。
試合にも何度もでて、タッチダウンまでしてしまったヴィックですが、フィールドに出てくるたびに、異様な雰囲気に包まれました。あまりに観客からの罵声が凄くて、おさめた動画にも気分の悪い声が多かったので、uploadはしないことにします。
走りに以前の切れ味は見られませんでしたが、これから彼がどう更正して、どう社会にメッセージを残していくか引き続き注目したいと思います。それにしても、有名な選手になると色々な人が回りに集ってくるし、まだ若かったヴィックからすると本当は周りで守ってくれる人もいなかったのかもしれません。素晴らしいプレーや頑張りを見せてくれる一流の選手は、たくさんの子供達から注目されたり、社会的な影響力が大きいことから、そうしたことから守ってくれる人や、本当の一流になるべく傍で教育をし続けてくれる人が必要なのだと改めて思います。
最後に、そろそろタッチダウンくるかなと予想して見事に取れたタッチダウンシーンの動画をアップロードします。うまいなあ。
試合は、JETSが38-27で勝利しました。
P.S.
Big Blueは初戦を落としてしまったようですが、明日の母校の開幕戦は是非勝ってもらいたい!!